今週(2023.9.6.現在)に入り、中長期での米金利の低下が続いていたが、短期での米金利の上昇を受けて値動きを反映して、日本では円安が進んでいた。
独製造業新規受注は、八月を大きく下回り、−11.7%という結果になった。中長期での米金利の低下の影響が、ドイツの製造業新規受注を大きく低下させ、景気動向を抑制してしまったため、
実態に合わせた米金利の中長期での金利政策の転換の根拠となりうる日本やドイツの経済動向は将来予想を立てるための重要な指標である。
低金利政策下においては、日本銀行の利害は投資家の利害と一致して推移するのが大原則であり、そのことが現在は日本経済の国際経済における地位の根拠であり、日本銀行は、米中経済摩擦の反米主義やエリート主義の弊害等の日本社会及び民主主義社会の政治的限界に直面し、実際には政策判断において政治の意向を優先し政治に依存しており、独立した判断は行えず、中央銀行といえども単純な利上げのような教科書的な金利政策では経済の実際の動きを歪めてしまい、国際経済の中での国家間での対立を引き起こしてしまうため、投資家の利害に配慮しなければならず、株価の動向を無視することはできなくなってしまうのである。
日銀の政策目標はインフレ率という物価であり、中央銀行の金利政策の大原則(金利を上昇させ銀行の貸出を増やしてインフレを起こし利子収益を増やすこと)の観点に立ち、株価の動向を軽視する考え方が示されることもある。しかし、もし日銀の独りよがりな金利政策に固執した場合は、国家間の対立を引き起こし、例えば、過去にも発生した貿易摩擦の原因になってしまうのである。物価を操作することによりインフレ目標の実現というインフレ目標を至上視しネオナチ的な社会心理を応用した金利政策は、国際経済の中での日本の孤立を深め、投資家や企業というステークホルダーの利害と一致しない場合も存在する。
アメリカやドイツと異なり、自由貿易を通じた日本の経済成長を支えるのは、銀行ではなく株価なのであり、独立した投資家の合理的な期待形成こそが、日本経済そのものなのであり、その経済成長は、上昇金利に現れる帝国型資本主義とは異なり、平和という世界各国の諸国民の総意に基づいているのである。
経済のファンダメンタルに含まれる人間の社会心理と株や為替の動きには、経済政策を通じて、大きな関係性がある。しかし、経済に対する立場の違いにより、自己の立場に固執してしまうと他のステークホルダーからすればリスクとなる死角が発生することになり、ゲーム理論的には、相手の反応が分からず一か八かのギャンブルのような状況から身動きが取れなくなり、経済厚生を最適化する均衡状態は実現しないことになる。
ゲーム理論は独りよがりにならず、協力することの利得を説いたものに他ならない。教科書の世界で作り上げた自分だけの世界で乾坤一擲というギャンブルにより三途の川を渡るより、ゲームの目標である利得を確実に実現するためには、他の立場との比較に基づき、交渉を通じて、双方の社会的利得を最大化する目標を設定することがゲーム理論の出す答えであり、経済の連続性の根拠なのである。経済というゲームの数式を解き続けることが平和を作り出すのであり、ローマ皇帝にも優っている。(2023.9.6.筆者記。)